フランス文学朗読会「サン=サーンスの風刺と洒落」弦楽演奏とともに

 フランス部会では、2024年6月に、豊川市中央図書館にて、「音楽はすべての人のもの」というコンセプトのもと、「音楽の日」を開催しました。このときに演奏したのが「動物の謝肉祭」です。
 演奏するバイオリニストたちが異口同音に言うには、サン=サーンスは、ときにシニカルで、そこがサン=サーンスの魅力であるということでした。
 「動物の謝肉祭」は、仲間うちの演奏会のために作られ、色々な作曲家のメロディーのパロディが風刺的に使われているため、彼は生前、楽譜を公開しませんでした。14の小楽曲から成り、日本では子供向けの演目とされます。私たちは、絵本版「動物の謝肉祭」を翻訳し、曲の意図を読み解こうとしました。一見、動物に関する詩のようですが、翻訳しても、なお難解です。
 豊川市在住のフランス人、アナイスさんとの会話のなかで、文化的背景を知り、サン=サーンスの洒落、人間観察力、体制に屈しない人物像が見えた気がしました。
 サン=サーンスの生きた19世紀から20世紀世紀にかけては、ナショナリズムと民主主義が結びつき、ヨーロッパを中心に世界が大きく変わろうとしていた時代です。古典的な伝統に基づいた彼の作風は評論家たちから保守的と酷評されることもありました。
 朗読会では、「動物の謝肉祭」を読み、バイオリンの生演奏をお聴きいただきます。


2025年 1月18日(土)13:30~14:30
豊川市中央図書館 多目的ホールにて 入場無料 
豊川市国際交流協会 フランス部会